実際の都市でパブリックな場をつくるには、どのような言葉をどのように発すればいいのかー。本プロジェクトはそんな問いを出発点に、パブリックスピーチを捉えなおす試みです。 会期終盤には、アジアの複数の都市のラッパーたちが、戦前のアジア主義のテキストをベースにしたオリジナルトラックを持ち寄り、アジア4都市間からの「演説/ラップ」を同時中継するライブパーティを名古屋にて開催します。ヒップホップによって「アジア」が接続され、アジア主義が更新されるとき、彼らの声は現代の公共性を獲得しうるでしょうか? かつてないヒップホップ x アジア主義の上演にご期待ください。
Moment Joon GROW UP UNDERGROUND RECORDS所属。韓国ソウル生まれ。移民者ラッパーとして音楽活動を行う。2019年には『Immigration EP』を発表し、Zeebra主催の『フリースタイルダンジョン』でのLIVE出演や、KEN THE 390やOmen44 x Vikn x Nippsのアルバム客演等、幅広く活躍。近年ではSKY-HI、仙人掌の全国ツアー参加や、SKY-HI、SALU、Ja Mezz、Hungerと共演した『Name Tag』のMV、今の日本に投げかけなければいけない事を歌にした新曲『令和フリースタイル』(2019)などが話題となった。また、ライムスター宇多丸が送るTBSラジオ・アフター6ジャンクション【LIVE&DIRECT】で披露したLIVEが好評を博す。文芸誌「文藝」2019年秋季号には、4万字にわたる渾身の自伝的エッセイ「三代」が掲載された。
アジア主義・思想家紹介
岡倉天心(おかくら・てんしん, 1863-1913) 美術史家、思想家。本名は岡倉覚三(かくぞう)。近代日本における美術史研究の開拓者。1889年、現在の東京藝術大学美術学部の前身である東京美術学校の設立に関わり、初代校長を務めた。東京美術学校を排斥された後、知人の誘いでインドを訪れたことがきっかけとなり、『東洋の理想』(1903)が書き上げられた。『東洋の理想』は英語で執筆され、冒頭のAsia is one(アジアは一つ)という言葉は、アジア主義に強い影響を与えた。