東京にはコンビニやネットカフェなど、同じ規格でつくられた空間がいたるところに存在しています。本展は、そのようなどこでも再現可能な形態でつくられた都市のインフラ/構成要素を「模型」として捉え、現在の東京のライフスタイルを浮かび上がらせる試みです。都市に埋め込まれた模型を「再現」した展示空間は、ネット上での展開と合わせて日々生成変化する場となります。
開催概要
会場|建築倉庫ミュージアム 展示室B
開館時間|火〜日 11時〜19 時(最終入館18時)
月曜休館(祝日の場合、翌火曜休館)
入場料|一般 3,100円、 大学生/専門学校生2,000円、 高校生以下1,000円
主催|建築倉庫ミュージアム
*「模型都市東京」に限り、会期中何度でも再入場可能です。
(初回入場時にお渡しするフリーパスと身分証をご提示ください。)
*障害者手帳をお持ちの方とその付添者1名は無料となります。ご入館の際、障害者手帳等をご掲示ください。
*学生の方は、ご入館の際、学生証を拝見しております。忘れずにご持参ください。
「模型都市東京」ノート
「模型」がなにかを模したものなら、「身振りの模倣」からはじまった演劇は模型と相性がいいはずだ。演劇の場合は、模倣がある型を獲得することで、つまり「模型」になることで、呪術から独立し、芸能になったと言われている。具体的には、田の豊穣を祈る「田遊び」が真似され、身振りが固定されることで「田楽」になった。これは、田の上でしか成立しないサイトスペシフィックな行事が、田を離れてどこにでも移動でき、再演可能な芸能になったことを意味する。別の言い方をすれば、演劇はそもそも模型であり、だからこそあらゆる場所で上演/再演することができるのである。
上演/再演の場所は「舞台」と呼ばれてきたが、神社や劇場にある舞台の上には今や劣化した模型があるばかりで、活きのいい模型を探すなら街のなかに出て行った方がよい。そうした目で東京を眺めてみると、この街にはその場でしか成立しないオリジナルなものは少なく、模型に溢れていることに気づく。どこにでもある模型が世界のどの都市よりも偏在し、それが様々な人に利用され、それぞれのやり方で独自に上演/再演される。その偏在性gと上演/再演可能性の豊かさが、この都市の特徴とすら言えそうだ。それらの模型を面白く使いこなす人たちが現れ、都市のアクティビティを生み出し、ライフスタイルを更新していく。それが逆説的に、東京という「模型都市」のオリジナリティになっている。
建築倉庫ミュージアムという建築模型を展示する場所で、東京の逆説をポジティブに展開させることができればと考えている。
高山 明
《マクドナルドラジオ大学》は、町中のマクドナルドを大学に変えるアートプロジェクトです。「教授」はなんらかの理由で故国を離れることになった移民や難民で、「学生」はマクドナルドに入店しハンバーガーやコーラとともに「教授」のレクチャーを注文して聴講します。
大館當代美術館での《マクドナルドラジオ大学》は、実店舗ではなくマクドナルドを模した展示空間で行われます。今回の「教授」は香港に住んでいる方々で、彼らとともに制作した新しい3つのレクチャーに加え、これまでフランクフルト、ベルリン、東京、金沢で制作された30科目からセレクトした14科目の録音源が提供されます。
特設サイト
http://www.mru.global/hongkong/