「Tour Performance」カテゴリーアーカイブ

ヘルダーリン・ヘテロトピア

『ヘルダーリン・ヘテロトピア』は、”ヘルダーリンの道”を辿りながら歩くツアー形式の作品です。舞台はかつてヘルダーリンの家があったバートホンブルクとフランクフルトを結ぶ22kmの小道。ヘルダーリンは恋人への手紙を届けるためにこの道を定期的に往復していました。参加者はアプリをダウンロードし、地図に沿って歩きます。14のスポットで物語や詩を聴くことができ、また、道の途上でヘルダーリンの詩が12編挿入されます。バートホンブルクとフランクフルト、どちらの街からでも始められ、好きな時に好きな場所からツアーを再開することができます。

※本作品はヘルダーリン生誕250年を記念して制作されました。

 

特設サイト

https://hoelderlin-heterotopia.portb.net/

参加作家

Alexander Kluge, Deniz Utlu, Elfriede Jelinek, Helene Hegemann, Jan Philipp Reemtsma, Keijiro Suga, Kelly Copper/Nature Theater of Oklahoma, Lina Majdalanie, Marcel Beyer, Maria Stefanopoulou, Navid Kermani, Nuno Ramos, Theodoros Rakopoulos, Toni Hildebrandt

開催概要

ツアー所要時間:約6〜8時間(徒歩)
上演言語:ドイツ語
会期:2020年9月よりアプリがダウンロード可能
(iOS&Android・無料)
主催:Künstlerhaus Mousonturm
https://www.mousonturm.de/en/projects/hoelderlin-heterotopia/

Photo: Joerg Baumann

 

 

<ヘテロトピア・シリーズ>

2013年の東京での上演以来、高山明/Port Bが各都市で展開しているプロジェクト。都市に集積したヘテロトピアを体験するツアー型のシリーズ作品ではありながら、街に埋もれ散在しているヘテロトピアから、それぞれの街に応答したコンセプトを元に作品化している。
・2013『東京ヘテロトピア』Festival / Tokyo 2013(東京/日本)
・2015『北投ヘテロトピア』台北国際映像展、鳳甲美術館(台北/台湾)
・2017『ピレウス・ヘテロトピア』Fast Forward Festival (アテネ/ギリシャ)
・2017『ベイルート・ヘテロトピア』Sharjah Biennial 13(ベイルート/レバノン)
・2019『アブダビ・ヘテロトピア』Durub Al Tawaya (アブダビ/UAE)
・2019『リガ・ヘテロトピア』Homo Novus Festival(リガ/ラトビア)

 

北投ヘテロトピア

[:ja]北投地区の7つの場所をめぐるバイクタクシーツアー

台湾国際映像展覧会「負地平線」出品作品。台湾・台の温泉地、(ベイトウ)にて開催された。にしか存在しない「バイクタクシー」に乗り、地区の7つの場所をめぐるツアー形式の作品。訪問地でQRコードを読み取ると、土地の歴史を知り、ありえたかもしれない物語を聴くことができる。

北投ヘテロトピア

[:en]Beitou Heterotopia[:]

完全避難マニュアル フランクフルト版

「あなたにとって避難とはなんですか?」

2010年にフェスティバル/トーキョーで発表された『完全避難マニュアル 東京版』が、ムーザントゥルム劇場の製作によって大規模に発展。約1か月間にわたって「上演」され、フランクフルト市周辺のライン・マイン地域に広がる複数の都市を演劇的レイヤーによって結びつけた。

観客はプロジェクトのウェブサイトを訪問し、問いに答え、地図をダウンロードして40カ所の「避難所」を訪問する。それぞれの「避難所」は4つのツアーにカテゴライズされ、Port Bのみならず、他の15組のアーティストによる提案も散りばめられている。どの避難所に、どのような順番でたどり着くかは、観客次第だ。観客は「避難者」の身振りをまとい、自らの身体を移動させながら、この「経路の演劇」のパフォーマーとなる。『完全避難マニュアル』は、参加者一人ひとりが「あなたにとって避難とはなんですか?」という問いを通過することで、見知らぬ他者と、そして自分自身と都市の中で出会う、演劇的アーキテクチャ/プラットフォームなのだ。

▶特設サイト  EVAKUIEREN 完全避難マニュアル

東京ヘテロトピア

[:ja]

「もう一つの東京」に出会う、旅の演劇

ガイドブックとラジオを手に、参加者は「東京の中のアジア」13カ所を自由に旅する。地図に記された場所に辿り着き、ラジオを指定の周波数に合わせると、4人の詩人・小説家(管啓次郎、小野正嗣、温又柔、木村友祐)が書き下ろした物語が聞こえてくる。物語は「Port観光リサーチセンター」のリサーチ(監修:林立騎)から生まれたものだ。物語の朗読は、多くの場合、日本語を母語としない語り手によってなされている。宗教施設、モニュメント、難民収容施設跡地、エスニックレストラン…。見慣れたはずの「トーキョー」を異国のように「旅」する中で、作品は無数の偶然を招き入れ、参加者は自分だけの出会いを重ねる。

『東京ヘテロトピア』は2020年の東京オリンピックまで拡大を続ける。さらに広島、長崎、沖縄、台南、台北、フランクフルトなど、国内外の各都市でも「ヘテロトピア」シリーズの展開が予定されている。

東京ヘテロトピア 特設サイト

[:en]Tokyo Heterotopia[:]

光のないⅡ

福島 − 東京。その距離を問い直すツアー・パフォーマンス

ノーベル賞作家エルフリーデ・イェリネクが福島の原発事故を扱った『光のないII』を、東京・新橋駅周辺でツアー・パフォーマンスとして上演。観客は12枚のポストカードとラジオを手に新橋駅前のニュー新橋ビルを出発する。ポストカードの表面には福島の避難区域で撮影された報道写真がプリントされ、裏面には次に訪問すべき場所までの地図とナビゲーションが書かれている。ナビゲーションに従って訪問地(空きオフィス、東電本社前の広場、空き地、空き部屋、廃墟、ビルの屋上・・)を訪ねると、報道写真のイメージが三次元で再現されている。場所ごとに指定された周波数にラジオをチューニングすると『光のないⅡ』の朗読が聞こえてくる。いわき総合高校演劇部の女子生徒たちが淡々と朗読する、いかにも新橋に不似合いな声を聞きながら、参加者は「ツーリスト/フォトジャーナリスト」となってポストカードの福島と東京に仮設された福島を見比べることになる。奇妙にずれた12箇所の「福島/東京」を繰り返し訪ねることで、福島と東京の距離をかき乱し、その距離を捉え直すツアーであった。

出発地点のニュー新橋ビルは福島第一原子力発電所と同じ1971年に開業した。東京電力本社をはじめ、日本の原子力政策史に重要な役割を果たしてきた新橋駅周辺で上演された『光のないII』は、2013年には「ウィーン芸術週間」でウィーン版が制作・上演された。ウィーン版では、建設後に国民投票で稼働が阻止された「世界一安全な原発」ツヴェンテンドルフ原発の見学ツアーも開催された。

『光のないⅡ』フェスティバル/トーキョー12

完全避難マニュアル 東京版

[:ja]

観客×都市。新たな出会いを生む演劇的アーキテクチャ

山手線29駅すべての周辺につくられた「避難所」で、東京という都市と参加者のあいだにさまざまな「出会い」が生まれる。プロジェクトのウェブサイトを訪れ、質問に答えると、山手線のいずれかの駅に近い訪問地が指定され、地図をダウンロードして訪問できる。そこは宗教施設、コレクティブハウス、シェアハウス、路上生活者の集まり、出会いカフェなど、さまざまなコミュニティだ。「東京の時計」としての山手線の周辺につくられた、「東京の時間」からの避難所の数々。一時的に「避難民」となった参加者は、都市との関係を新たに築き直す。「避難」という宙吊りになった空間と時間の中で生まれる避難所/避難民のネットワークが、新たな「トーキョー」の可能性を示した。

2014年秋には『完全避難マニュアル フランクフルト版』がドイツで制作される。

『完全避難マニュアル 東京版』特設サイト
『完全避難マニュアル 東京版』フェスティバル/トーキョー10

[:en]Takayama continues his work on the topic of ‘community and individual’ in the contemporary city. Nearby every of the 29 Yamanote Line stations, an evacuation area will be set up providing a place for the audience to meet with persons, that are usually invisible in the shape of our present-day cities. The dialogue starts via Internet and then spreads out through various areas in Tokyo.[:]