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東京ヘテロトピア
[:ja]
「もう一つの東京」に出会う、旅の演劇
ガイドブックとラジオを手に、参加者は「東京の中のアジア」13カ所を自由に旅する。地図に記された場所に辿り着き、ラジオを指定の周波数に合わせると、4人の詩人・小説家(管啓次郎、小野正嗣、温又柔、木村友祐)が書き下ろした物語が聞こえてくる。物語は「Port観光リサーチセンター」のリサーチ(監修:林立騎)から生まれたものだ。物語の朗読は、多くの場合、日本語を母語としない語り手によってなされている。宗教施設、モニュメント、難民収容施設跡地、エスニックレストラン…。見慣れたはずの「トーキョー」を異国のように「旅」する中で、作品は無数の偶然を招き入れ、参加者は自分だけの出会いを重ねる。
『東京ヘテロトピア』は2020年の東京オリンピックまで拡大を続ける。さらに広島、長崎、沖縄、台南、台北、フランクフルトなど、国内外の各都市でも「ヘテロトピア」シリーズの展開が予定されている。
[:en]Tokyo Heterotopia[:]国民投票プロジェクト(ロッテルダム)
ツベンテンドルフ原発ツアー
2013年5〜6月
『ツベンテンドルフ原発ツアー』
(ツベンテンドルフ原発)
いずれもウィーン芸術週間
Fukushima – Epilog ?
[:ja]“Fukushima – Epilogue?” ウィーン芸術週間[:]
国民投票プロジェクト(ウィーン)
光のないⅡ
福島 − 東京。その距離を問い直すツアー・パフォーマンス
ノーベル賞作家エルフリーデ・イェリネクが福島の原発事故を扱った『光のないII』を、東京・新橋駅周辺でツアー・パフォーマンスとして上演。観客は12枚のポストカードとラジオを手に新橋駅前のニュー新橋ビルを出発する。ポストカードの表面には福島の避難区域で撮影された報道写真がプリントされ、裏面には次に訪問すべき場所までの地図とナビゲーションが書かれている。ナビゲーションに従って訪問地(空きオフィス、東電本社前の広場、空き地、空き部屋、廃墟、ビルの屋上・・)を訪ねると、報道写真のイメージが三次元で再現されている。場所ごとに指定された周波数にラジオをチューニングすると『光のないⅡ』の朗読が聞こえてくる。いわき総合高校演劇部の女子生徒たちが淡々と朗読する、いかにも新橋に不似合いな声を聞きながら、参加者は「ツーリスト/フォトジャーナリスト」となってポストカードの福島と東京に仮設された福島を見比べることになる。奇妙にずれた12箇所の「福島/東京」を繰り返し訪ねることで、福島と東京の距離をかき乱し、その距離を捉え直すツアーであった。
出発地点のニュー新橋ビルは福島第一原子力発電所と同じ1971年に開業した。東京電力本社をはじめ、日本の原子力政策史に重要な役割を果たしてきた新橋駅周辺で上演された『光のないII』は、2013年には「ウィーン芸術週間」でウィーン版が制作・上演された。ウィーン版では、建設後に国民投票で稼働が阻止された「世界一安全な原発」ツヴェンテンドルフ原発の見学ツアーも開催された。
国民投票プロジェクト東北ツアー
12年8月
『国民投票プロジェクト』
東北ツアー
Referendum – 国民投票プロジェクト
[:ja]
「わたしたちの声」を集める移動型演劇プロジェクト
東日本大震災と福島の原発事故を経て、「わたしたちの声」とはなにか、どうすればそれを聞くことができるのかという問いに、演劇的な応答が示された作品。「Referendum – 国民投票プロジェクト」と書かれた改造保冷車の荷台に映像インスタレーションの鑑賞ブースが設けられ、東京と福島の中学生へのインタビューが一人一枚のDVDになって並んでいる。質問はたとえば、今一番欲しいものは何ですか、総理大臣になったら何をしますか、これから東京/福島はどうなると思いますか、今一番わからない事は何ですか、あなたの夢は何ですか…。観客は自由に鑑賞し、最後に自分自身もブースで同じ質問に答え、投票する。投票用紙はプロジェクトのウェブサイトで公開され、中学生のインタビューと観客の投票が「わたしたちの声」としてアーカイブされていく。
改造保冷車は東京都内、横浜市、福島県を巡回し、声は移動しつづけた。詩人の山田亮太と歌人の斉藤斎藤がそれに付き添い、うたの声が重ねられた。
一カ月の会期中には、トークイベントが繰り返され、鴻英良、谷川俊太郎、磯崎新、川俣正、ハンス=ティース・レーマン、赤坂憲雄、吉増剛造、原武史、吉見俊哉、黒瀬陽平、桂英史、濱野智史、和合亮一、今野勉の各氏が招かれ、政治、歴史、声、意志決定について対話を繰り返した。(これらの対話は『はじまりの対話』(思潮社)にまとめられている。)
政治への直接的な参加資格をもたない中学生の声を集め、賛成/反対に収まらない問いを投げ、うたをつくり、意志決定に至らない対話を繰り返す。それを「国民投票」と名付けることで、政治が聞き取らない「わたしたちの声」を演劇プロジェクトという枠組みで集めた。
『国民投票プロジェクト』は、続く2012年夏に東北を巡り、14年春には広島・長崎・埼玉を訪れた。中学生のインタビュー映像と観客の投票用紙のアーカイブは膨らみ、その蓄積は2011年以後の「声」を記録し続けている。インタビュー映像は水戸(水戸芸術館)、ウィーン(ウィーン芸術アカデミー)、ベルリン(ヘッベル・アム・ウーファー劇場)などで展示された。(プロジェクトは現在も継続中。)
『Referendum – 国民投票プロジェクト』特設サイト
『Referendum – 国民投票プロジェクト』フェスティバル/トーキョー11
個室都市 ウィーン
2011年5 – 6月
『個室都市 ウィーン』
(ウィーン芸術週間)